人を育てる人事制度…4
~④ 給与制度 編~
給与制度は、年齢や能力(等級)などに応じて基本給のモデルをつくることから始まります。
1.年齢給
年齢給は一般には「その年齢の人の生活に必要な給与」と言われていますが、中小企業の場合、給与額はほとんどが生活に必要な金額そのもの程度しか支給しておらず、給与を生活必要額(一般に言われている年齢給)と能力(または成果)に支払われる金額に分けて支給するほど多くの給与を支払っているわけではありません。中小企業では、本当は「年齢給」という概念を無くしたいのですが、急に、または突然に能力給100%に変更するのも社員にとっては抵抗があると思われます。
よって、年齢給を少し残して、残りの部分が能力給となります。
2.能力給
能力給は、各等級における、その人の能力を給与の幅で表したものです。
この給与制度では、「各等級に上限を設ける」こととしています。言い換えれば、上限以上の給与をもらうには等級を上げる必要があることとなり、それは自分の能力を高める必要性があることとなります。また別の言い方をすれば、努力だけでは給料は上がらないことをも意味しています。
年齢給と能力給を合わせて基本給とし、モデル賃金が完成します。
3.人を育てる人事制度における給与制度の基本コンセプト
① 年齢に関わらず能力(狭義の能力と努力)に応じて決める
② とは言え、年齢(家族構成)に対する配慮も必要であること(優秀な若い社員よりも高齢の低い等級の社員の方が高給であることも避けられない)
③ 企業の業績に応じた昇給金額となる制度であること
④ 昇給はあることが基本です。昇給できないことと昇給しないことは同じではありません。昇給できるように経営者も従業員も知恵を出し、努力をし、協力することが大切です。